経歴
陶芸家。岐阜市にスタジオを構える。
私の作品制作は、即興的な制作のプロセスのなかで新たなカタチを求めつつ、同時に自分自身をも発見していく作業といえます。完成した作品は非常に個人的なものであるとともに、その時々の社会状況や生活環境の変化を強く反映したものとなっています。私のこれまでの作品を俯瞰すると、制作当時の社会のできごとや自身の感情がありありと想起されます。
私は音楽好きの両親の元で育ち、自ら楽器を演奏するなど、音楽に親しんできました。音楽好きは後年、サウンドオブジェの制作と演奏集団 The Earth の結成へとみちびかれます。
1988年~89年当時、世界は冷戦終結の機運に満ち、新たな世界基準がうまれようとしていました。そのような時代にあって、全く新しい音楽作りをしようと、現代音楽の作曲家堀田秀雄氏を中心に陶磁器制作に携わる人々が集い、陶磁器でできた音具、サウンドオブジェを作り、制作者自らが演奏するという活動を行いました。その活動は残念ながら三年で終了しましたが、自由でオリジナリティ溢れる陶器の作品作りは常に私の心がけるところとなり、現在に至っています。
私は制作の基本をフリーハンドの曲線と直線を用いて即興的に構築していく方法をとっています。制約が多く、長時間集中する根気のいる作業でありながら、構築するプロセスの中に発見と驚きと喜びがあります。
効率を求めることの多い現代においては、長時間窯で焼く陶芸は、時代に逆行しているともいえるでしょう。しかし、土という豊かな表情を見せる素材を用いて、焼くという太古から変わらぬ方法を踏襲し、あたらしい形象を生み出すことには、大きな意味があると思うのです。
初めて出会うかたちといろが、周囲の空間を、私の心をわずかでも活気づかせてくれるのなら、制作者にとって、これ以上の幸せはありません。
主なグループ展
2019
NAU in New York, The Nippon Gallery(New York, New York)
2018
NAU in Paris, galerie metanoia(Paris, France)
2017
The 45th ARTEX NY, Ward-Nasse Gallery(Soho, New York)
2016 - 現在
NAU21世紀美術連立展 国立新美術館(東京六本木)
2014 - 現在
新陶彫「東京展」 Salon de G(東京銀座)
2012 & 2014
「三人三様の陶展」 ギャラリーアート泉の里(長野県軽井沢町)
2009 - 現在
ゼロの会展 ギャラリーくぼた(東京京橋)
2009
オープン記念展「書と陶の三人展」 ギャラリーCHUTO(愛知県名古屋市)
2005 - 現在
新陶彫「京都展」 京都市美術館別館(京都府京都市)
2004 - 現在
新陶彫「名古屋展」 愛知県美術館(愛知県名古屋市)
2002 - 2010
NAU21世紀美術連立展 東京都美術館(東京上野)
2001 - 現在
源流展 岐阜県美術館(岐阜県岐阜市)
1989 - 1992
「The Earth」 サウンドオブジェコンサート 世界デザイン博覧会(愛知県名古屋市)など
1985 - 2003
新工芸集団M会展
個展
2006
「華」 画廊轍(東京銀座)
2005
「花の器」 多治見創造館(岐阜県多治見市)
1994
「服部牧子陶展」 ギャラリー蔵(岐阜県岐阜市)
1991
「服部牧子陶展」 ギャラリームース(岐阜県関市)
賞/招待出品
2017
JCAA受賞作家7人展 招待出品 ギャラリイK(東京京橋)
2017
The 45th ARTEX NY 奨励賞(グランプリなし)
2003
中日韓国際陶磁博覧会 招待出品 山東省淄博市中国陶磁館作品収蔵
1988
多治見市美術展市展賞(グランプリ)
1987
多治見市美術展市長賞
所属グループ
2009 - 現在
ゼロの会
2004 - 現在
新陶彫協会
2002 - 現在
NAU (New Artist Unit) 美術協会
2001 - 現在
源流
1988 - 1992
陶磁器デザイン制作集団 「The Earth」(結成メンバー)
1985 - 2003
新工芸集団M会
略歴
都立新宿高校で油絵を吉江新二に師事
国際基督教大学教養学部人文科学科中退
愛知県窯業高等職業訓練校卒業
岐阜県陶磁器試験場特別研修生修了
NHKカルチャー岐阜日曜陶芸教室講師